複素数の冪乗と根
複素数の概要
複素数は a + bi
の形で表せる数学的な実体で、ここで a
と b
は実数、i
は虚数単位で、i² = -1
を満たします。
複素数の例
複素数 3 + 4i
を考えます。ここで、3
は実部、4
は虚部です。
複素数の冪乗
複素数を冪乗するには、その数を自分自身で繰り返し掛け合わせる必要があります。これを扱う一般的な方法は、ド・モアブルの定理を使用することです。
ド・モアブルの定理
ド・モアブルの定理は次のように述べています:複素数 z = r(cos θ + i sin θ)
と任意の整数 n
に対して、
z^n = r^n (cos(nθ) + i sin(nθ))
ここで、r
は複素数の絶対値、θ
は偏角です。
複素数の冪乗の例
(1 + i)^3
を求めましょう:
まず 1 + i
を極形式に変換します。絶対値 r = √(1² + 1²) = √2
と偏角 θ = arctan(1/1) = π/4
です。
ド・モアブルの定理の使用:
(√2)^3 [cos(3π/4) + i sin(3π/4)] = 2√2 [cos(3π/4) + i sin(3π/4)]
したがって、(1 + i)^3 = -2 + 2i
です。
複素数の根
複素数の根を求めることは、ある冪乗をすると元の数になる別の複素数を求めることです。n-次根はn次根の公式を使用して見つけることができます。
複素数の根の公式
複素数 z = r(cos θ + i sin θ)
に対して、そのn
次根は次の通りです:
w_k = √[n]{r} (cos((θ + 2kπ)/n) + i sin((θ + 2kπ)/n))
ここで、k = 0, 1, 2, ..., n-1
です。
複素数の根の例
4i
の平方根を求めます:
まず、4i
を極形式に表現します。ここでは、絶対値 r = 4
と偏角 θ = π/2
です。
平方根は次の通りです:
w_k = √[2]{4} (cos((π/2 + 2kπ)/2) + i sin((π/2 + 2kπ)/2))
k = 0
と k = 1
について計算します:
k = 0
の場合:w_0 = 2 (cos π/4 + i sin π/4) = 2(√2/2 + i√2/2) = √2 + i√2
。k = 1
の場合:w_1 = 2 (cos 5π/4 + i sin 5π/4) = 2(-√2/2 - i√2/2) = -√2 - i√2
。
したがって、4i
の平方根は √2 + i√2
と -√2 - i√2
です。
冪乗と根の可視化
複素数やその操作である冪乗や根を見ることは、それらをよりよく理解するのに役立ちます。以下は、これらの操作を描写したイラストです。
これは基本的なアルガンド図です。青い線は実軸を表し、赤い線は虚数単位 i
を表します。複素数の乗算や冪乗は、この平面上での回転やスケーリングを引き起こします。
平方根の配置を示す図で、複素平面上でどのように根が生じるかを示しています。ここで示された例は取得した平方根を示しています。
さらなる考察と対称性
数を高次の冪乗にしたり、多重根を取ったりすることは、これらの値が複素平面上で対称的に分布する原因となります。この対称性は角度が均等に分布することに由来しています。
対称性の理解
例えば、複素数の n 次根はアルガンド平面上の円に対称的に広がります。これはそれぞれの次の根に対する角度の増分が 2π/n
であることに起因します。
対称的な根の例
1 の根、例えば 1
の三乗根である 1
、e^(2πi/3)
、e^(4πi/3)
などを考えます。
これらの原点は、中心が原点で半径が 1
の円の周りに 120° の等しい角度で配置されています。
結論
複素数の領域での冪乗と根の操作を理解するには、極座標、アルガンド平面、角度と対称性の特性に関する基本的な理解が必要です。これらの原則を熟知することで、複素数の実際の計算や応用がさまざまな数学的文脈で可能になります。