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数値積分と微分における誤差解析


数値解析は、数学の一分野であり、数学的問題を解くためのアルゴリズムと数値近似を扱います。積分や微分に関しては、正確な計算はしばしば不可能または非現実的であるため、この理由から数値的手法を使用します。しかし、これらの手法には本質的な課題が伴います。それが誤差解析です。まず最初に、誤差解析とは何かを問う必要があります。簡単に言えば、誤差解析は数値解の正確性と限界を評価することです。

この議論では、数値積分と微分における誤差解析の基本要素を紹介し、それが科学的および工学的計算の信頼性にどのように影響するかを示します。

数値誤差の紹介

数値誤差は、以下のようなさまざまな要因から生じます。

  • 打ち切り誤差: 正確な数学的手続きの近似から生じます。
  • 丸め誤差: コンピュータが実数を有限の桁数で表すために生じる誤差です。

しばしば、数値積分と微分においては打ち切り誤差に重点が置かれます。なぜなら、丸め誤差はハードウェアまたはソフトウェアの制限に特有であるからです。

数値積分

打ち切り誤差の理解

積分を数値的に評価する作業を考えてみましょう。多くの場合、台形則やシンプソンの法則のような近似を使用します。これらのルールにはそれぞれ、関連する打ち切り誤差があります。

台形則

台形則は、次の式を使用して関数の積分を近似します。

[ int_{a}^{b} f(x) , dx approx frac{b-a}{2} left( f(a) + f(b) right) ]

この近似の誤差は次のように表されます。

[ E_{T} = -frac{(b-a)^3}{12} f''(xi) ]

ここで、( f''(xi) ) は区間 ([a, b]) の任意の点 ( xi ) で評価される ( f ) の2階微分です。

視覚例: 台形則

AXB

青色の曲線の下の面積は、灰色の台形で近似されます。この概念は、台形則の打ち切り誤差を示しています。

シンプソンの法則

シンプソンの法則は、放物線セグメントを使用してより正確な推定を提供します。

[ int_{a}^{b} f(x) , dx approx frac{b-a}{6} left( f(a) + 4fleft(frac{a+b}{2}right) + f(b) right) ]

打ち切り誤差は次のように与えられます。

[ E_{S} = -frac{(b-a)^5}{2880} f^{(4)}(xi) ]

計算例

( f(x) = sin(x) ) を ( x = 0 ) から ( x = pi ) の範囲で数値的に積分することを考えます。両方の方法を使用します。

台形則の使用:

[ int_{0}^{pi} sin(x) , dx approx frac{pi - 0}{2} left(sin(0) + sin(pi)right) = frac{pi}{2} (0 + 0) = 0 ] [ E_{T} approx -frac{pi^3}{12} (-sin(xi)) approx 0 ]

シンプソンの法則の使用:

[ int_{0}^{pi} sin(x) , dx approx frac{pi}{6} left(0 + 4 sinleft(frac{pi}{2}right) + 0right) = frac{pi}{6} times 4 = frac{2pi}{3} ] [ E_{S} approx -frac{pi^5}{2880} cos(xi) approx 0 ]

実際の積分は2です。シンプソンの法則を使用した近似は、正確な値に近く、打ち切り誤差は小さいです。

数値微分

微分の種類

数値微分では、連続関数ではなく離散データポイントを使用して微分を計算することを目的とします。一般的な手法には、前進差分、後退差分、中央差分があります。

前進差分

この手法は、一次微分の近似式を次のように使用します。

[ f'(x) approx frac{f(x + h) - f(x)}{h} ]

打ち切り誤差は次のように表されます。

[ E_{F} approx -frac{h}{2} f''(xi) ]

視覚例: 前進差分

XX + H

緑色の線は、点 (x) での傾きを示しています。前進差分は、先の点 (x + h) に基づいて傾きを推定します。

中央差分

より正確な方法は中央差分であり、両側の点を使用します。

[ f'(x) approx frac{f(x + h) - f(x - h)}{2h} ]

打ち切り誤差は次のように与えられます。

[ E_{C} approx -frac{h^2}{6} f^{(3)}(xi) ]

計算例

( f(x) = x^2 ) の導関数を ( x = 1 ) で評価し、( h = 0.1 ) とします。

前進差分を使用:

[ f'(1) approx frac{f(1.1) - f(1)}{0.1} = frac{1.21 - 1}{0.1} = 2.1 ] [ E_{F} approx -frac{0.1}{2} times 2 = -0.1 ]

中央差分を使用:

[ f'(1) approx frac{f(1.1) - f(0.9)}{0.2} = frac{1.21 - 0.81}{0.2} = 2 ] [ E_{C} approx -frac{(0.1)^2}{6} times 0 = 0 ]

正確な導関数は ( f'(x) = 2x ) であり、( x = 1 ) では2です。中央差分は正確な結果を提供し、前進差分は小さい誤差を持つことになりました。

結論

誤差解析は、数値積分と微分の重要な要素です。数値的手法の限界と改善の可能性についての価値ある情報を提供します。誤差の原因と種類を理解することは、数学者やエンジニアが特定のアプリケーションに適した手法を最適化し選択するのに役立ちます。誤差を減少させることで、科学研究や技術革新において重要な数値計算の精度を向上させることができます。


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